御召のドレスアップ
西陣織工業組合で「御召」をテーマにしたショーを行った時に製作した訪問着です。約30色のフクレ織、地紋の縞も太細を変化させながら製作しており、何度も織機を停止させて、緯糸を交換しながら織りました。
織訪問着は、実物を見ながら製作することは勿論、製作中に臨機応変に変更していくことも出来ないので、初期段階で頭の中に完成品を忠実にイメージできるかが重要になります。「胸元には明るい色」「上前には象徴的な鮮やかな色」「ピンク系とターコイズ系の割合」というように、色のバランスを考えるのに苦労しました。
今回コーディネートした帯は「ブーメラン」という柄になります。特にブーメランを意識していたわけではなく、優しいカーブの線を何度も描いている内に自然と出来上がりました。大胆だけど、フリーハンドで探したカーブがおおらかな優しい印象の柄です。水面にあらわれる波紋のようにも見えます。
優しい同系統の地色の帯と着物を帯揚げと帯締めにはピンクとターコイズを入れてトータルコーディネートが出来上がりました。ビビッドカラーの帯を合わせるのもカッコよさそうです。色面の大きな柄の帯を合わせることで訪問着の柄が活きてくると思います。