風通織袋帯「額と壺」

 木屋太の特徴の1つでもある建築の雰囲気も感じさせるデザインです。 アールデコ調の額縁がメインのモチーフになりますが、その上に配した格子、効き色になる青緑や壺の大きさ等、奥行きを感じさせるための構図になっています。
 ヨーロッパの額縁や窓枠にはステキなデザインが多くあり、モチーフにしたくなるのですが、その内側をどうするのかはいつも考えさせられます。

 「一般的な帯よりも自由で軽やかな発想で木屋太の帯は作られているんだろうな」と感じさせるデザインになりました。敢えて太鼓よりも少し大きめの紋紙を作成したことにより、織りあがってみると正面からも、目線の高さから見てもオシャレに見える柄になりました。

 織技法は風通織(ふうつうおり)と呼ばれる、西陣の御召の機屋が復活させた織組織になります。
 二色の経糸(たていと)とそれぞれの色に合わせた二色の緯糸(よこいと)を使用して上下で二枚の生地を一枚の織物として織っています。その二枚の生地を上下に反転させることで柄を作っていくのですが、木屋太ではそれぞれの生地に異なる表現力を与えた独自の風通織になります。