風通織袋帯「アフメット花文」
トルコの絨毯がモチーフになります。トルコやペルシャの絨毯には楽園をあらわしている物が多いのですが、外敵や侵入者を防ぐための柵もデザインされており、知った時にはちょっとショックだったのを覚えています。文化の背景には国の成り立ちが影響しているのは勿論ですが、柄作りには世界を想像する楽しさがあります。
柄の左部分を敢えて無地に、右部分は細かく柄を織ることで左右のコントラストが際立つ柄です。帯の巻き方で腹柄のイメージも変わります。
色のバリエーションを抑えた配色というのは難しく、色同士が近づきすぎるとボケるし、離れすぎると必要以上に色が目立ってしまう。普段以上に慎重に配色を行う必要がありました。
織技法は風通織(ふうつうおり)と呼ばれる、西陣の御召の機屋が復活させた織組織になります。
二色の経糸(たていと)とそれぞれの色に合わせた二色の緯糸(よこいと)を使用して上下で二枚の生地を一枚の織物として織っています。その二枚の生地を上下に反転させることで柄を作っていくのですが、木屋太ではそれぞれの生地に異なる表現力を与えた独自の風通織になります。